月と太陽

しばらく、沈黙が続いた。

静かなせいでキーンと耳鳴りがする。

わたしは、なかなか沈黙を破る気になれず、自分の右手薬指で光る指輪をぼんやりと見つめた。

これを貰った時は、幸せに満ち溢れていたなぁ。

やはり、幸せとは長く続かないものなのだろうか。

そんなことを考えていると、タケルが沈黙を破った。

「…しずくには、ちゃんと話そうと思ってた」

タケルの声は、ゆっくりでとても落ち着いている。

わたしは黙って、タケルの言葉に耳を傾けた。

「俺さ、中学ん時に自分の夢を見つけたんだ。その時が初めてだったんだ、夢と呼べる目標が出来たのは」

そう言うタケルの声は、落ち着きながらもどこか明るく、弾んでいるように感じた。