月と太陽

「わたしだったら、これかな」

ピンクゴールドの指輪に小さいダイヤが一つ輝く、シンプルな細みの指輪。

タケルはそれを見ると「シンプルで素敵だね」と言った。

でも、タケルが指輪をプレゼントしたい人って、一体誰だろう。

友達に指輪って少しおかしいし、お母さんにあげるってのも考えにくい。

プレゼント相手に嫉妬心を抱く自分がいた。

「じゃあ、しずくの意見を尊重させてもらうよ」

タケルはそう言うと、店員を呼んだ。

そして、わたしの右手薬指の号数を計らせた。

「なんでわたし?」

「しずくと同じくらいの指の細さなんだ」

「そ、そう」

一体誰なの?

そればかり気になって、仕方がなかった。