月と太陽

結局、家を出たのは9時半を過ぎていた。

時間が遅れたのは、紛れもなくわたしたちのせいだ。

「朝から何してたの〜?しずく、シャワー浴びたばかりだったでしょ?」

運転席で亜利沙が遅れた理由を探ろうとする。

その横には、同じことを考える人がもう1人。

「朝からとは、若いね」

「涼、あなたもわたしたちと同じ歳よね?それに、亜利沙と涼が考えてるような事はしてないわ」

わたしがそう言うと、わたしの隣でタケルが頷いた。

「そう、キスまでしかしてない」

「ちょ、ちょっと!それ言わなくていいでしょ!」

車内に笑い声が響く。

こんな会話にも幸せを感じて、寂しかったあの時期を忘れさせてくれた。

外は真っ白い雪景色。

最近になって、北海道の本当の寒さを実感しているわたしは、亜利沙のコートを借りていた。