月と太陽

「何でもないじゃなくて、教えてよ。わたしには、言えないことなの…?」

「いや、そうじゃない」

「じゃあ、教えて…?」

わたしは少し強引だったかもしれない。

けれど、泣いているタケルを見て、放っておけなかった。

今までタケルは、わたしが悲しい時、悩んでいる時、そばに居て話を聞いて、支えてくれた。

わたしもタケルを支えたい。

心からそう思ったのだ。

「こんなこと言うの、照れくさいな」

タケルはそう言って、髪をワシワシと掻いた。

「どんなことでも、ちゃんと聞くよ」

そう言うわたしを見ると、タケルはわたしを抱き締めた。

驚いたわたしは、目をパチクリさせた。

「しずくが俺の前から居なくなる夢をみたんだ。あいつのところへ、行ってしまった…」

あいつって、幸ちゃんのこと?

わたしはタケルに気付かれないように笑うと、タケルの背中に腕を回し、抱き締め返した。