月と太陽

そのあとすぐ、トランプを持った亜利沙とタケルが戻って来た。

わたしたちはババ抜き、神経衰弱、豚の尻尾をして盛り上がった。

時間はあっという間に過ぎていく。

気付けば時計の針は、来年になる3分前を差していた。

「もうすぐね!」

ワクワクしたような表情で亜利沙は言った。

涼は亜利沙の手をとり、ギュッと握り締めた。

顔を見合わせ微笑み合う2人を見ていると、わたしまで顔が綻ぶ。

タケルはわたしの肩を抱くと、わたしの額に頬を寄せた。

「今年はしずくに出会えた良い年だった」

タケルはそう言って、肩を抱く手に力を込めた。

「わたしもよ。タケルには、凄く感謝してるの。ありがとう、支えてくれて」

テレビの中でカウントダウンが始まる。

全員が年が明けるその時を待った。

そして、3秒前になる。

「愛してるよ、しずく」

その言葉が耳に響き終わった後、年は明けた。