月と太陽

ゆっくりと部屋の中に足を進めた。

緊張のあまり、ちゃんと歩けている気がしない。

すると、二つ並ぶベッドが目に入った。

ついつい、変なことを想像してしまう。

わたしがベッドの前で突っ立っていると、タケルが歩み寄って来た。

そして、わたしの肩に触れる。

わたしは思わず、肩をすくめて反応してしまった。

「大丈夫か?慣れない場所だから、落ち着かないだろ」

タケルの優しい声が耳に響く。

爪先から頭の天辺まで、ピンと張っていた緊張の糸が切れたのを感じた。

「それにしても、亜利沙もやってくれるよな。こんなとこ予約して」

タケルはわたしの肩から手を離すと、ベッドに腰を掛けた。

そして、部屋を見渡した。