月と太陽

部屋は15階だった。

変な緊張感が漂い、エレベーターの中でわたしたちは一言も喋らなかった。

わたしは亜利沙に握らされた、四角い小さな袋をタケルに見つからないように素早くバッグの中にしまう。

エレベーターから降りて、タケルのあとについて行く。

タケルは「1507」と書かれた部屋の前で足を止めた。

「ここ、みたいだな」

タケルはそう呟き、部屋の鍵を開けた。

ドアを開くと、自動的に電気が点いた。

中を覗くと、まさかスイートルームではないかと思うほど広く、綺麗な部屋が広がっていた。

「どうぞ」

タケルが片腕で中を指し、わたしを中へ促す。

「あ、どうも」

慣れない場所のせいなのか、この雰囲気のせいなのか、ぎこちなくなる。

きっと、どちらのせいでもあるのだろう。