月と太陽

わたしはコース料理というものを初めて食べた。

スプーンにフォークにナイフ、大小揃っていて、どれを使うのかわからなかったわたしは、横目で亜利沙を見て真似した。

名前のよくわからない料理ばかりだったけど、とても美味しかった。

しかし、わたしにはこういう場所は向いてない。

そう実感した。

食事が終わり、みんなで帰宅すると思っていたが、一緒に帰ろうとするわたしたちの前に亜利沙は立った。

そして、何かを差し出した。

亜利沙が差し出した物は、鍵だった。

「ホテルも予約しておいたの。2人きりになりたいでしょ?クリスマスイヴなんだもの」

そう言う亜利沙は、これから涼と待ち合わせをして家には帰らないらしい。

鍵をタケルに持たせ、わたしの背中を押す亜利沙は、わたしに何かを握らせた。

「ちゃんと避妊するのよ。頑張って」

耳元でそう囁きながら。