月と太陽

恥ずかしがりながらも、わたしは彼の隣を歩いた。

タケルの隣を。

「どうして、一緒に帰るだなんて言ったの?帰る方向が同じかもわからないのに」

「いや、帰る方向が同じだって知ってたから、一緒に帰って欲しいってお願いしたんだ。朝、同じバスに乗ってたんだよ」

同じバスに乗ってたなんて、全然気付かなかった。

「ちなみに乗ったバス停も同じだ」

タケルはそう言うと、目を丸くして驚くわたしの顔を見て笑った。

同じバス停で乗ったのに、タケルの存在に全く気付いていなかっただなんて、わたしはどれだけ周りが見えていなかったんだ。

同じような制服を着ている人がいれば、普通は気付くだろうに。

「わたし、そんなに緊張してたのね。周りが見えない程」

「仕方ないよ。初登校なんだから」

学校を出て、徒歩5分程で地下鉄の駅に着く。

駅に着くと、ちょうど地下鉄もやって来て、小走りで飛び乗った。

地下鉄内は混雑はしていなかったが、座る場所はなく、ドア付近に立つことにした。