月と太陽

「しずく、聞いてくれ」

幸ちゃんの言葉にわたしは頷き、耳を傾けた。

「俺はずっと、しずくのことが忘れられなかった。こっちに転校して来ても、頭の片隅には必ずしずくが居た。好きだったんだ…」

転校して来てからもずっとだなんて、どれくらいわたしを想い続けてくれていたんだろう。

とても嬉しかったが、わたしは幸ちゃんの気持ちに応えることは出来ない。

「しずく…、しずくは、あいつのことが好きなんだよな」

幸ちゃんの言う「あいつ」はタケル。

わたしは唇を噛み、ゆっくりと頷いた。

幸ちゃんは「そうか、わかった…」と言うと、わたしを強く抱き締めて、それからそっと身体を離した。