月と太陽

「しずくが幸せなら、俺はそれでいい」

幸ちゃんの声で、微かにそう聞こえた気がした。

「何ブツブツ言ってんだよ!かっこわりぃぞ、幸ちゃんよぉ!」

そう言って、ロン毛男が幸ちゃんに殴りかかる。

幸ちゃんはその拳を手のひらで受け止めると、ロン毛男の腹部に一発かました。

結構効いたのか、ロン毛男が腹部を抑えて後ろによろめく。

幸ちゃんを睨みつけるロン毛男の目が怒りに満ちていた。

幸ちゃんが味方に加わり、喧嘩が再開される。

この殴り合いは、いつ終わるのだろう。

どちらかが倒れるまで終わらないのだろうか。

わたしが不安な表情を浮かべていると、梨子はわたしの肩をさすり「大丈夫よ」と呟いた。