月と太陽

「麗佳に聞いたの」

わたしの返答に日下くんは、なるほどとでも言いたそうな顔をした。

「タケルでいいよ。仲が良い奴らからはそう呼ばれてる」

「でも、わたしたちまだ仲が良いとは言えないけど?」

足元を見ると、彼のローファーも茶色いことに気付いた。

「これから仲良くなるさ」

彼はそう言って、歩き出した。

外はとてもいい天気。

雲一つない青空だった。

ただ、少しまだ肌寒い。

「しずくって、呼んでもいいかな?」

遠慮がちに斜め後ろを歩くわたしのスピードに合わせるように歩きながら、彼は言った。

「い、いいけど」

噛みがちなわたしの返答に彼はまた笑った。

なんだか、ギュッと固まっていた心が解かれていくのを感じた。