月と太陽

タケルも奴らの存在に気付いたのだろう。

一度足を止め、わたしを背後に隠すようにした。

再び歩き出したが、さっきの足取りとは違い、ゆっくりと警戒しているようだ。

「おっと、護衛とお姫様の登場だ」

わたしたちに気付いたロン毛男がフっと鼻で笑って言った。

匡人たちもこっちを振り返る。

みんな険しい表情を浮かべていた。

「タケル、あいつらがしずくを寄こせと言ってる」

匡人が低い声で唸るように言う。

タケルは黙って、ロン毛男を睨み付けた。

わたしは「匡人、タケル今日は声が出ないの」と匡人に伝えた。

わたしの言葉に匡人は怪しげに微笑むと「おいおい、大丈夫か?雨の中、いちゃこき過ぎたんじゃねーの?」と言ってからかった。

タケルは片方の口角を上げ、目を細め匡人を睨みつけるような仕草を見せた。