月と太陽

「ごめんな、俺が出掛けようなんて言わなければ、雨にあたることもなかったのに…」

そう言うタケルは、自分を責めているようだ。

いつもは頼りになって、わたしを包み込んでくれるタケルが、今日は小さく見える。

タケルを抱き締めてあげたい。

そんな感情が心の奥にポッと生まれたのを感じた。

「雨が降ったのはタケルのせいじゃないでしょ?謝らないで。わたし、これでも昨日は凄く楽しんでたのよ」

わたしはタケルに微笑んで見せた。

タケルを元気付けたい。

タケルに向かって手を大きく広げたい、そんな感情は今までのわたしにはなかった。

人の愛し方がわからない。

以前はそうだったけれど、これがそうなのだろうか。

友達に、お父さん、お母さん、そしてタケルに愛され、わたしも人を愛することを覚えたのかな。

そんな気がした。