月と太陽

雨の音がなぜか遠くに感じる。

2人でこうしていると、時が止まってしまったのではないかと、錯覚してしまうほど幸せに満ちている。

ずぶ濡れで寒いこの状況のどこが幸せなのか。

そんなことを訊かれても、上手く説明なんて出来る自信はないけれど。

帰りは、傘を持たずに出て行ったわたしたちを心配して、亜利沙が迎えに来てくれた。

2人でバスに乗って帰るのも悪くないと思ったが、車の中の暖かさから迎えがあって良かったと思った。

わたしたちは、自分たちが思ってる以上に身体が冷え切っていたのだ。

いつもは温かいタケルの手も、この時ばかりは冷たくなっていた。