月と太陽

学校が近付くにつれ、周りを歩いている生徒の数も増える。

何だか、みんなが見ている気がした。

視線が気になって、挙動不審になる自分。

すると、わたしの異変に気付いたのか、タケルがギュッと強く手を握った。

見上げると、タケルは優しく微笑んで「どうした?」と尋ねてきた。

「なんか、さっきからみんなに見られてる気がして…」

わたしがそう言うと、後ろを歩いている匡人が「そりゃあ、そうだろ〜」と話に入ってきた。

「モテモテのクールなタケル様と、我が校のマドンナであるしずく姫が、手を繋いで歩いてるんだからよ」

そう言ってからかう匡人を、わたしは振り返って横目で睨みつけた。

「しずく、気にすることないわ。周りのみんなのことも、匡人のこともね」

梨子はそう言うと、匡人を横目で見上げて、匡人の頬をつねった。

本気で痛がる匡人を見て、わたしは涙を流して笑った。