月と太陽

タケルの表情は、真剣な中にも優しさが感じられた。

彼の気持ちに応えたくて、喉のところまで「わたしも好き」と出かかったが、ある気持ちがそれを阻止する。

わたしなんかに、タケルは勿体ない。

タケルには、もっと相応しい人がいるのではないか。

そう考えると、タケルの気持ちが嬉しい反面、悲しさが込み上げてきた。

わたしは俯いた。

わたしの手を覆う、温かいタケルの手を見つめて、この手を握り返せたら、どんなに幸せだろう。

そう思っていた。

黙ったままのわたしを見て、タケルはそっと手を離した。

きっと、わたしが困ったような表情を浮かべていたからに違いない。