月と太陽

すると、タケルがそっと立ち上がった。

そして、わたしの真正面に立つと、静かにしゃがんだ。

わたしは何も言わず、タケルを見つめて彼の言葉を待った。

感じたことのない独特な雰囲気に、緊張している自分がいた。

タケルは唇を噛むと、一度俯いて、それからすぐ顔を上げ、わたしを見上げた。

「しずく、…しずくは俺にとって、特別な存在なんだ」

真っ直ぐなタケルの瞳から、目を逸らしそうになる。

しかし、わたしは一生懸命、タケルの目から視線を逸らさないよう努力した。

「前にも言ったけど、ほっとけないんだよ。しずくを見てると、守ってあげたいって気持ちになるんだ」

そう言って、タケルはわたしの手を覆うように握り締めた。

タケルの手は、とても温かかった。

「しずく、君が好きだ」