月と太陽

すると、匡人から離れて、梨子がわたしのそばへやって来た。

「しずくの前で恐怖心を煽るような話はやめて」

梨子はそう言って、わたしの肩を抱いた。

「わたしは、平気よ」

「平気なわけないでしょ。こんなに肩に力が入ってる」

わたしの肩を摩ってくれる梨子。

そして、わたしに微笑みかけると「心配しないで。わたしたちが守るわ」と、まるで子どもに言い聞かせるように優しい声で言った。


それからわたしは、登下校中も学校の中で過ごす時も1人でいる時間を無くした。

そんなわたしを見て麗佳は「まるでお姫様ね」と言った。

タケルたちと一緒にいると安心は出来たが、また奴らが来るのではないかという不安は頭のどこかに常にあった。

そのせいか、落ち着き始めていた息苦しさが、頻繁に表れるようになった。