月と太陽

「タケルは、わたしの願いを叶えてくれたのよ」

お母さんはそう言うと、こんな話を聞かせてくれた。


お母さんがお父さんと出会ったのは、高校1年生の時。

2つ上の学年だったお父さんの方から、話し掛けてきたらしい。

すぐに友達にはなったけれど、それ以上に進展することはなく、お父さんは先に高校を卒業してしまった。

お父さんが卒業してから、会うことが少なくなったけれど、お母さんがお父さんへ抱く気持ちが薄れることはなく、逆に膨らんでいったという。

月に一度会うくらいの関係。

その他は、たまにの夜の電話。

お父さんから何か言われるわけでもなく、お母さんから自分の気持ちを伝えることもなく時が流れ、お母さんが高校を卒業した。