月と太陽

幸ちゃんは、何食わぬ顔で近づいて来る。

タケルが自分の背中にわたしを隠した。

守られてる感じがして嬉しかったが、相手は幸ちゃんだ。

別にわたしを隠す必要なんてないのに、そう思った。

「何の用だ?」

先に話し掛けたのは、匡人だった。

幸ちゃんはわたしたちから2m程先で足を止め、睨みつける匡人を睨み返した。

「お前らに用はない。俺は、しずくに用があるんだ」

強い口調で幸ちゃんは言った。

人を睨んだり、恐怖を感じる程の強い口調の幸ちゃんを初めて見たわたしは、幸ちゃんへの印象が少し変わった。

「しずく、知り合いなのか?」

タケルがわたしの方を振り向いて言った。

その目は、驚いているようだった。