月と太陽

演奏を終えた彼らは、ステージ上から勢い良く飛び下りた。

タケルだけが、階段を利用して下りて来る。

女子生徒が跳ねながらタケルに向かって手を振るが、タケルはその姿を横目で見て、フッと笑って手を振り返さなかったが、逆にそれが女子生徒の心をくすぐっているように見えた。

タケルは、わたしと梨子を見つけると、照れくさそうに歩み寄って来た。

「来てたのか」

人差し指で頭をポリポリと掻くタケル。

梨子は「かっこよかったわよ〜」と言うと、「ねっ?」とわたしに同意を求めてきた。

「う、うん。かっこよかったよ」

「かっこよかった」という言葉を口にした自分が恥ずかしくて、タケルの顔を見ることが出来ない。

しかし、タケルが照れ笑いしているのを感じた。