月と太陽

梨子は人をかき分けて、わたしの手を離さず走り続ける。

「どこに行くの?」

わたしの問いにも振り返って微笑むだけで、答えてはくれない。

階段を下りて、生徒玄関を横切り向かった先には、体育館があった。

入口には、沢山の飾りがあり華やかだ。

体育館は真っ暗で所々にある小さな照明だけが、ステージ前に集まっている生徒たちを照らして見せていた。

ステージ前に集まる生徒たちは、ワクワクしているような表情を浮かべ、手にはペンライトを持っている。

ピカピカ光るカチューシャを頭につけている女子生徒もいた。

「何が始まるの?」

人だかりの一番後ろでやっと立ち止まった梨子にわたしは言った。

梨子は「まぁ、見てて」と言い、ステージ上を見上げた。