月と太陽

「どうしたの?」

わたしはその場に立ち上がって、梨子に向かって言った。

梨子はわたしの腕を引き、受付から抜け出させると、その代わりに佐野くんをわたしが居た場所へ押し込んだ。

「佐野!あとよろしく!」

そう言って、梨子はわたしの手を引き、走り出す。

わたしは振り返った。

友人とじゃれ合っていた幸ちゃんが、動きを止めてこちらを見ていた。

幸ちゃんは「またあとでな!」と言うと、手を振った。