月と太陽

「似合うじゃねーか」

匡人が腕を組みながら満足そうに言う。

「しずくは色白だから、化粧なしで十分だ」

涼は悪気なくそう言ったが、わたしは涼を横目で睨むフリをして「それ褒めてるの?」と言った。

匡人と涼は「あぁ〜、怖い怖い!」と言いながら、教室の中へと逃げて行った。

そういえば、さっきからタケルの姿を見ていない。

「明日のお楽しみ」と言われて楽しみにしていたけれど、まだ待たなくてはいけないのだろうか。

すると、校内放送が流れた。

まもなく、学校祭が始まるという内容のアナウンスだった。

わたしは麗佳と共に、教室前に並べられた「受付」という名の机の後ろの椅子に座った。

麗佳に気付かれないように一つ深呼吸をして、三日月に触れた。