顔を上げると、薄汚れた鏡の向こう側の僕が、僕を見つめ返してきた。
毎回毎回、見飽きた顔。
丸くて二重の目に、黒目がちな瞳。
鼻も唇も細くて小さく、線の細い顔と言われる。
うん、沙由そっくり。
いや、沙由が僕に似てるんだけど。
僕と沙由の違うところといえば、髪。
長さは肩より少し過ぎるくらいで同じだけど、色が違う。
沙由の髪は綺麗な黒髪だけど、僕の髪は生まれつき色素が薄く、染めたような明るい茶色だ。
それが、僕のコンプレックスでもある。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…