沙由は首にネックレスをつけると立ち上がり、僕の方に歩み寄ってきた。 「はい、これで髪結んで。 私、もう準備できてるから、お兄ちゃん準備できたら言ってね」 そう言って僕に茶色の髪ゴムを渡すと、沙由は廊下の暗闇に消えていった。 後ろ姿を見届けると、僕はさっき沙由が座っていたドレッサーへ向かって歩く。 すごい・・・体全体が重い。 僕はドレッサーの前にある木の椅子に座り込んだ。