「「お邪魔しまーす」」 古びた引き戸を開けながら、僕と沙由は声を揃えた。 沙由がトコトコと中へ入っていき、靴を脱ぎながら「涼音さーん!」と声をかける。 僕が後ろ手に戸を閉めると、中から「いらっしゃい!」と、涼音の声が響いた。 自分の靴と、沙由が投げ捨てていった靴を隅っこに揃え、少々ガタついている引き戸を開ける。 その先の部屋には、囲炉裏を囲むようにして3人の少年少女が座っていた。