とっとにかく 今からバスに乗ればなんとか間に合うっ!
と、言いたいところだが
私の姿を見れば誰が見ても
今から 入学式に行く格好ではないだろう。
髪をセットして 制服を着て行きたいところだが とりあえず学校に連絡しよう。
――
ということがあったのだった。
「もうっ!お母さんが起こしてくれないからっ」
なんて独り言を吐きながら
バスを待っている私。
きっと滑稽と受け取れるのだろう。
もう既に ちらほら通っている人たちが少し見てはすぐ反らしている。
なんやかんやでなんとか学校まで着き、
誰もいない校門を寂しく一人で通ろうとしたとき
「ん?」
校門のすぐそば。
少し大きな 桜の木があった。
いや、私が反応をしたのはそっちではないのだが。
「男の子…?」
それが、運命の出逢い。
まだ、私には早すぎたんだ
自分のことも出来ない私には。
