「夜道をこんな可愛い子が歩くなんて、襲ってくれって言ってるのも同然ですよ。」 「可愛くなんか・・・。」 「無自覚ですか、たちの悪い。」 失礼なっ! そう思って顔を上げたと同時にふわっと知らないぬくもりで抱きしめられる。 「怖かったでしょう?大丈夫ですか?」 「・・・あっ」 「あ?」 「・・・りが、とう。」 言えたとも、言えない言葉だったけど。 普段は聞き取ってもらえないくらいの小さい声だけど。