「・・・違うんだよ。」 紫雨、笑えてないよ。 「何が違うんですかぁ?ほら、麻矢先生違いませんよね?」 面白おかしく右京君が声を張り上げる。 「ええ・・・違わないわ。でも右京君、このことは秘密よ。」 整って色づいた唇にきれいな指をスッとあてがった。 「はぁい・・・って、蜜なんで泣いてるの?」 「泣いてなんか・・・ないしっ!」 あふれてくる涙をぐっと拭った。