「あら、伊吹さんじゃない。紫雨先生に用事なの?」
俺からさっと手を放すと蜜に向き直った。
「い・・・っ、いえ!何でもないです。」
「伊吹っ!!!」
俺らから目をそらすと走って行ってしまった。
絶対あいつ何か勘違いしてる。
ま、でも右京を好きな蜜には関係のないことか。
「随分彼女のこと気にかけてるんですね。」
「そ、そんなこと・・・いや、副担なんで当然のことですよ。」
「ふーん、そうですか。あっ!放課後話があるんですけど。図書室で会えますか?」
図書室・・・
それはよく優妃と会っていた場所だった。



