「紫雨!・・・先生。」 よく通る透明な声が聞こえて瞬時に後ろを振り返った。 「み・・・伊吹。」 危なかった、名前を呼んでしまうところだった。 「・・・どう、した?」 きっと、手に持っているものからして進路委員の資料ということは察することができるが。 気まずい気持ちがさらに気まずくなってきた。 なんで・・・ こんなタイミングの悪いところを見られてしまうんだろう。