「ありがとう・・・なんて思ってないんだからね!」
バンと机をたたくと同時に立ち上がった蜜。
顔を真っ赤にしている。
「どういたしまして。」
「だから、決してありがとうなどとは!」
「分かってますよ。さ、席について冷めないうちに食べちゃいましょう。まだ半分鯵残ってますよ。」
俺が言うとグッと言いたいことを飲み込んでまた食事を開始した。
本当に不器用な人なんだな。
「紫雨、後で数学が分からないところがある。教えて。」
「えっ、蜜が分からないところですか?」
「悪い?」
いや、ただ珍しいなって思っただけですがね。



