今日もまた、先輩とメールをした。
いつものように続くメールは、学校でも、私生活でも話さない私達にとっては唯一の繋がりと言っても過言ではなかった。
そんな私達が出会ったのは、ほんの数週間前の出来事がきっかけだった。
私は、いつものように木に登っていた。
この木から眺める景色が好きだった。
高層ビルに隠れながらも日が暮れるところを見るのは嫌いではなかった。
そこに、彼が現れた。それに私は気付いていなかった。
「危なくない?」
そう彼が言ってきた。
私はびっくりして、木から落ちてしまった。
でもそんなのは日常茶飯事なので、着地をしようとしたら庇おうとしたのか彼が真下に飛び込んできた。
「「えっ」」
咄嗟に避けようとする、バランスが取れなくなり、態勢が崩れる。
彼の柔らかい唇の感触。
靡くスカートの音と静かに波の音が響いた。
動転した意識の中、私は思考を巡らせた。
とりあえず、上から退こう。そんでもって謝って逃げよう、と。
「「ごめんなさい!!!」」
またハモった。
二人して声を揃えて笑っていた。
暫くそうしてると、恐らく彼の物と思われるスケッチブックが目に入った。
私は少し、いやかなり気になって凝視していたのか、彼はその視線に気付き、
「上手くはないけど…見る?」
その言葉に甘えて、私は見させてもらった。
彼の絵は、上手かった。
いや、冗談とかお世辞とか抜いても本当に上手い。デッサンを中心にしたリアルな絵が中心で、たまに描かれているデフォルメされたアニメ寄りの絵は描き始めたばかりなのか、少しバランスを取るのに苦戦しているようだが、彼の絵は上手かった。見ていて安心した。
この時私は、彼のことを知りたいと思った。
仲良くなりたいと。
一緒にいたいと。
そう思った。
いつものように続くメールは、学校でも、私生活でも話さない私達にとっては唯一の繋がりと言っても過言ではなかった。
そんな私達が出会ったのは、ほんの数週間前の出来事がきっかけだった。
私は、いつものように木に登っていた。
この木から眺める景色が好きだった。
高層ビルに隠れながらも日が暮れるところを見るのは嫌いではなかった。
そこに、彼が現れた。それに私は気付いていなかった。
「危なくない?」
そう彼が言ってきた。
私はびっくりして、木から落ちてしまった。
でもそんなのは日常茶飯事なので、着地をしようとしたら庇おうとしたのか彼が真下に飛び込んできた。
「「えっ」」
咄嗟に避けようとする、バランスが取れなくなり、態勢が崩れる。
彼の柔らかい唇の感触。
靡くスカートの音と静かに波の音が響いた。
動転した意識の中、私は思考を巡らせた。
とりあえず、上から退こう。そんでもって謝って逃げよう、と。
「「ごめんなさい!!!」」
またハモった。
二人して声を揃えて笑っていた。
暫くそうしてると、恐らく彼の物と思われるスケッチブックが目に入った。
私は少し、いやかなり気になって凝視していたのか、彼はその視線に気付き、
「上手くはないけど…見る?」
その言葉に甘えて、私は見させてもらった。
彼の絵は、上手かった。
いや、冗談とかお世辞とか抜いても本当に上手い。デッサンを中心にしたリアルな絵が中心で、たまに描かれているデフォルメされたアニメ寄りの絵は描き始めたばかりなのか、少しバランスを取るのに苦戦しているようだが、彼の絵は上手かった。見ていて安心した。
この時私は、彼のことを知りたいと思った。
仲良くなりたいと。
一緒にいたいと。
そう思った。
