とにかく冷静になりたくて、外に出ることにした。
でも、気分転換になれなかった。
そう、私の家は都市の中心部でありえないぐらいにぎやかだから。
まぁ、いつものすごく静かなあの公園に行けばいいや、
と思いながら足早に公園を目指した。

やっぱり、思った通り誰もいなくて居心地がよかった。
ベンチに腰を掛けて、ぼーっとしていると、
さっきのおじさんの言葉を思いだしてしまい、
現実はすぐに襲いかかってくる。

これからのことに不安と恐怖を覚えてしまって、
結局あまり気分が変わらず、
公園をすぐに出た。

そして、街を歩いていると都会の街ではよく見かけるスーツとは違う
オーラを放った、白いスーツを着たイケメンと、
カワイイけど少しセクシーなドレスを身にまとっている美女が歩いていた。

その美女は男の人を”白ふくNo.2”、男は美女を”No.3”
と呼んでいた。
その二人が話をしながら、
こっちに向かって真っ直ぐ歩いて来る。

ちょうど男の人の方とすれ違った瞬間に、
私は呼び止められ、
いきなり抱きしめられて、
何がなんだか分からなくて
硬直してしまった。

そうしていると
「よし、こいつは合格だな」
「どう思う、美友?」
えっ? 今、美友って言ったよね?
「まぁ、いいんじゃないの・・・ん?
もしかして、あいか?」
美優が私の顔を覗き込んだ。
「う、うん」
「やっぱりあいかだ」
「なんで、
美友がそんな格好してるの?」
「それにこの人は?」
私の頭の中は疑問と混乱でいっぱいだった。
そんな様子を見た美友は
「そうね、まぁ、
ついて来てくれれば分かるわ」
と言って、
そのままついて行くことになった。