冬に差し掛かった11月――。 いつものように部室に来て写真を整理していた。 もうすぐ行われる学校行事の一大イベントである文化祭で展示をする為だ。 優がいなくなった写真部は、希望を失ったみたいに静寂に覆われていた。 私は心の奥底で優への想いに堅く蓋をし、危うい心のバランスをなんとか保っていた。 でも、そんな私の想いを一瞬にして軽く飛び越えるあなたは。 ほんと、ズルいよ……。