水色のふんわりしたワンピース。
黒髪ストレートでロング。
白く透き通るような肌と、大きくぱっちりの二重。

なんだ、この美少女は。
いつからそこにいた?


「すっごーい!!!めちゃ感動しました!!」

周りに注目されちゃうくらい盛大な拍手をその子はしていた。
少し頬を紅潮させて、鈴を転がすような声で本当に感動したように拍手をしてくれる彼女。

やべえ…可愛い…。


俺は、一目惚れしたのだ。



『最後まで聴いてくれて、ありがとう。』

あくまでも平常心を装って、俺は微笑みながら言った。

本当は、心臓バックバク。

「あの、いつもここで歌ってるんですか??」

彼女は、緊張しながらもそう聞いて来た。

『そうだよ。いつも、同じここで歌ってるんだ。まぁ、あと一週間だけどね』
「一週間だけ…ですか?」

明らかにテンションが下がったようにショボーンとした顔をする彼女。
その反応は…もっと聴きたい、とか?
って、それは流石に自惚れすぎか。

「…もっと聴きたいのに…」

え、ちょっ…マジ?

『一週間後は、新学期始まっちゃうからな。』
「…私も入学式だぁ…成瀬高校の制服可愛いし…『成瀬高校に入るの?』

俺は成瀬高校の二年生だったりする。
え、何この運命的な出逢いは!
彼女はおれの言葉にキョトンとした顔をする。

「そうですよ…?」
『マジか、やった!俺、成瀬高校の二年生やねん(笑)後輩ちゃんやね!!』

そういってニッコリ笑うと、彼女はまた頬を紅潮させてニッコリ笑った。

「やったぁ!!!!嬉しい!!」

ぎゅっ

彼女は思いっきり俺に抱きついて来た。

「やったぁ…まだ聴ける…」

俺の耳元でボソッと呟かれた言葉に俺はキュンっとした。

可愛い…
可愛すぎるよ、この子…。

『…名前、なんていうの…?』

彼女は、俺から少しだけ離れてキラキラ輝くような笑顔を見せた。

「藤岡 桜です!!先輩のお名前は??」
『…椿 優。宜しくな、桜♪』
「はいっ!!」