俺が桜を好きになったのは、もう最初からだった。

春休みも終わりに近づき、新学期が一週間後に差し迫ったある日のこと。俺はいつものように桜の木の下で弾き語りをしていた。
と言っても立ち止まってくれるような優しいお客さんなどいるはずもなく、ただ1人虚しく歌い続けるだけ。
俺はビジュアル系歌手が大好きで、髪型も似せている。前髪だけ長くて、あとは短い。で、目が悪いから周りに恐れられることの方が多い。
まぁ、別にいいけど。


一曲歌い終わって顔を上げると…











美少女がいた。