いつも歩いている通学路。

すこし先にある信号を渡って、
右に向かって、そこにある坂を登れば、

すぐ私たちの通う、私立 光ヶ丘学園だ‼

「お前、体の調子大丈夫か?」

なぎさちゃんは走りながら聞いてきた。

「このまま走ってたら…疲れちゃう…」

疲れるのは当たり前だ。

でも私の場合は、すぐ息切れして

倒れちゃうかも。

「じゃあ俺が背負っていく。

早く乗れ」

なぎさちゃんは
その場にしゃがみこんだ。

「えっ…うん、乗るよ…?」

と言って、手をなぎさちゃんの肩に乗せた瞬間…

スクッ‼

「わっ‼」

強引に足を引っ張られた…

なぎさちゃんは、はぁはぁ言ってる。

すごく疲れてるのに…

なぎさちゃんは私を心配して

負ぶってくれる。

「ありがとう…なぎさちゃん」

「なっ‼なぎさちゃんって呼ぶのやめろって‼」

やっぱり彼は照れる。

そんなところが、可愛くて、弟っぽいんだ。