「それじゃ、行って来ます」 「気をつけて。また帰る時間になったら連絡入れるんだよ?」 「うん。いつも有難う、棗さん」 「どういたしまして」 私たちが住んでいる場所から車で10分くらい走ったところに私が勤めている会社がある。 そこそこ大きな会社で、私はそこの受付嬢をしていて。 最初こそバスで通おうとしたものの、棗さんがどうしても許してはくれなくて。 結局こうして毎日送り迎えをしてくれている。