『ちょっと…真似しないでよ…』



『そっちが真似したんだろっ』



仁美と和也君がじゃれあっている。



仲いいんだな…



あの人…



あの…和也君って子…



仁美の事が好きなんだな…


きっとそうだ…私の勘は当たる…



仁美と育が付き合っている事を知ってて…



凄いな…



私は少し和也君って子を見直した。



って言っても恋愛対象にはならないけど…



「由奈は俺と一緒に行くぞ」



ぼーっとそんな事考えていたら育が話し掛けてきた。


『あっ…うん…』



「お前、一人だと何処に行くかわかんねーからな」



育が意地悪そうな顔で笑った。



『んもう…ひどぉい』



私はムッと育を睨む。



「ハハハ…嘘、嘘」



アハハ――



私と育は笑っていた。



私と育のやりとりを冷めた目で見ていた仁美に気づかずに…