あれから私達は特に話す事もなく…



次の朝を迎えた。



ピーンポーン―――



家のチャイムが鳴った。



『育、行くよ!迎えが来たよ!』



「ハイハイ…解った解った…」



私は勢いよく玄関を開ける。



『由奈、おはよ』



そこには、仁美が立っていた。



『仁美、おはよ~お迎えご苦労様!』



『いえいえ…どーいたしまして…あっ……育…おはよ…』

なんだか、仁美は悲しそうな顔で微笑んでいた。


「ハョ…」
育も仁美の顔を見ることなく、横を向いていた…






『じゃ、行こっか』



私は気まずい二人の雰囲気に気づいていない振りをしてわざと明るく振る舞う…