階段も二段飛ばしでかけ降りる。



「由奈!!」



育は私よりも走るのが早い。



育が追いかけて来る…



私を呼ぶ声も近くなってきた…



来ないで…



お願い……




「由奈!!待てよっ!!」



ついに育の声が耳元で聞こえ同時に力強く私の腕を掴んだ。




「由奈!」



『離して!!』



私は育の手を振りほどき、靴箱の所まで走った。



「由奈!!」



再び育に腕を掴まれた…




『育……離して…』



ハァハァ…


ハァハァ……


二人の荒い呼吸が誰も居ない廊下に響き渡る…