育が家を出て二時間が経った。



カレーの鍋の火を止め、育の帰りをひたすら待った。


ガチャ―――



「ただいま~」



『い…育!お帰り!』



「なんだ…お前、まだ食ってなかったの?」



『うん…』



育が呆れたように笑う。



「じゃあ食うか」




『…うん……誰と合ってたの?』



「…」



『仁美…?』




「ん…まぁ………」