好きになった人は…双子の兄でした。【完結】

そこには……



誰も居なかった。



「ハァハァ……」



俺の荒い呼吸だけが聞こえて来る。



何故……



何故居ない……



「由奈ぁぁぁ…」



由奈を呼んでみるがやはり反応は何もなかった。



俺はしゃがみ込む…



疲れが一気に出てきた。



何処に行ったんだよ…



由奈……



「俺が親父の代わりに守ってやる」



自分が言ったセリフを思い出す。



全然…守れてないじゃん…


俺…口だけじゃん…



……



落ち込んでいる暇はないな…



探そう……



俺は再び立ち上がり、宛てもなく探し始めた。