好きになった人は…双子の兄でした。【完結】

こうしちゃ居られない…



探さないと…



あいつを探さないと…



俺は和也を突き放し、走り去ろうとしていた。



『……ダメ……行かないで…』



仁美が俺の腕を掴む。



『育!!駄目っ!行ったら駄目!お願いっ…』



仁美は俺の手を離すまいと必死にしがみついていた。


「……………」



『育!私の事好きじゃないの?さっき…キスしてくれたじゃないっ!ね…どうして?』



俺の足は立ち止まる…



仁美の顔…



和也の顔…



冷たい目で俺を見ていた。