好きになった人は…双子の兄でした。【完結】

気が付くと俺は和也の胸ぐらをつかんでいた。



「…お前……いい加減にしろよ…」



『はっ?育こそ何んだ?仁美がいるんだから仁美を大事にしてやれよ!』



和也が胸ぐらを掴まれたまま怒鳴る。



『ちょ…ちょっと止めて…』



仁美が俺の服を引っ張っている。



周りもザワザワと珍しい者でも見るような目で見ていた。



「お前…あいつの気持ちが解るのかよっ!他人のお前に何が解るっ!」



それでも俺の怒りは治まらない…



『ハ…他人か……俺はお前と仁美…「うるせーよ…謝れよ…あいつに謝れよ…」


俺の力がどんどん弱くなって…



和也の胸ぐらを掴んでいた手がズルズルとほどけた。