好きになった人は…双子の兄でした。【完結】

長蛇の列も大分少なくなってきて、私が注文する番になった。



『かき氷のイチゴ味4つ下さい!』



『はいよ!』



と屋台のオジサンは出してくれた。



お金を払う。



あっ………



4つも持てない…



どうしよ…



『すいません…すぐに取りに来るので置いといて…』


言い掛けた時に私の手元にあったかき氷がスッと無くなった。



振り返ると育がいた。



『あっ…ありがと…』



「お前…独りで持って来るつもりだったの?」



『あ…いや…すっかり忘れてたんだ…』



育が呆れたように笑う。



「行くぞ」



『うん…』