「でも何で?」

タカが不思議そうにする。

「あっいや、何でもないの。
ただ、聞いてみただけで…」

「そっか」

すると、タカの顔が近付いてきた。

…やっぱりバンドエイドが見える…。

凛音はタカからのキスに
応えようとしたその時、
凛音の頭の中に、礼音の顔が浮かんだ。

…れ、礼音!

「や…っ」

「…え?」

凛音は無意識にタカを突き飛ばしていた。

「…あっ…ご、ごめん!」

「いや大丈夫だけど…。
今日は帰るわ。
何か様子おかしいみたいだし…」

「ご、ごめん…」

「いや、凛音が大丈夫なら
いーんだよ。なっ?」

タカは凛音の頭を優しくなでた。